talk about theo #3
平成から令和へと向かう今、眼鏡フレームの形状は多種多様です。おもにはレンズが入る部分のリムのカーブ。極限までフラットなモノがある一方で、ゴーグルを思わせるほど深いカーブもあります。
むかしむかし平成元年頃はレンズカーブを優先し、フレームのリムを曲げて合わせることが主流でした。何しろレンズの種類が少なかった。そのため出来上がった眼鏡をお渡しする際に「なんだか最初に見たときと印象が違うわね…」と言われることが少なくありませんでした。
いまレンズもまた多種多様。非球面レンズ(カーブがフラットなレンズ)だけでも「両面非球面」「内面非球面」「外面非球面」と大きく3種類。フレームの形状とレンズ度数をアタマにインプットし、最も美しい眼鏡に仕上げるにはどのレンズを選択すべきかーー。瞬時に判断しなければなりません。想像力、推理力が技術者に求められます。
写真は完成したてのtheo(テオ)です。極限までフラットなフレームカーブにぴったり寄り添うようにレンズが入っています。自画自賛?いえいえ、これはレンズメーカー総司令本部「HOYAコールセンター」のサポートの賜物なのです。レンズをカットした際の各部の厚み、カーブ値、詳細なデータを電話で教えてもらうことで想像、推理したものが次第に「カタチ」となりアタマに浮かんで来ます。「脳内3Dシュミレーター」のようですが、いかんせん私の脳では反応が鈍い…。各種オプションを加えてレンズを最終オーダーするまでに25分はかかる計算です。日本一遅い眼鏡屋ーー?
一目惚れの眼鏡をずっと変わらぬ想いでお使い頂くために。職人の端くれとして修行が続きます。
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