美術展レヴュー 「ブリューゲル展」@広島県立美術館 *画像は「撮影可能エリア」にて撮影
月曜日はお休みをいただき広島県立美術館で開催中の「ブリューゲル展」を観てきました。東京・札幌・名古屋・広島の四都市による巡回展。広島は「県立美術館開館50周年」を記念した特別展でもあります。
ブリューゲルは16世紀フランドルを代表する画家です。ピーテル・ブリューゲル1世にはじまり、ふたりの子供、そして孫へと受け継がれ、150年ものあいだ画家一族として活躍しました。本邦初となる膨大なコレクションを一堂に集め、その全貌に迫ります。
「フランドル」すなわち現在のベルギーを含む歴史的地域です。theo(テオ)の生まれ故郷ベルギーの歴史の一端に触れるという意味で、私オクタキは開催前から鼻息を荒くしていました。大正解。theo(テオ)の眼鏡同様、ハッピーな気分に浸った一日でした。
聖書の世界を描いたもの、花瓶の花を描いたもの、モチーフは多岐にわたります。どれもが素晴らしいですが、ブリューゲルの真骨頂は市井の人々を描いた作品群にあると私は見ます。ややもすると当世のマンガにも似たタッチで、農民たちの素朴でどこかユーモラスな生活のワンシーンを切り取ります。
出口に飾られた最後の一枚「野外での婚礼の踊り」は農民たちが今にも踊り出しそうです。実際に「動いている」バーチャルな動画が作られ、スクリーンに映し出されていましたが、実物の方がはるかに躍動感がありました。
たっぷり一時間半堪能し、フロアに出ると美術館に隣接する「縮景園」の庭園がガラス一面眼下に広がります。父が亡くなった五年前のこの時期、ひとりでシャガールを観に来たことを思い出します。あのときの紅葉は望むべくもありませんが、吸い込まれそうな美を堪能した「プラス5分間」でした。
図録を店内に置いております。ご自由にご覧ください。22日(火)から24日(木)の三日間は東京で開催される国際眼鏡展参加のためお休みをいただきます。何卒よろしくお願いいたします。
0コメント