talk about theo #2
theo(テオ)ワールドへようこそ
今回のtheo トランクショー。展示は新作だけでなく、定番モデルも含まれています。愛されてこそ定番――。"obligation"(オブリゲーション)はまさしくそんなモデルです。
当店がリニューアルオープンした2015年11月。その直前の10月。theo(テオ)との契約を果たし、サンプルがスーツケース2箱にギッシリ入って送られてきました。「この中から商品を選んで送り返してください」。与えられた期間わずか3日。「なにが売れ筋か」は端っから興味がありませんでしたが、自分の「顔」だけで試着をし選出することはさすがに不可能でした。ふたりの強力なモデルが現れます。
男性代表・安藤昭彦さん。「革工房JACK」代表であり、オープン時に貴重なアドバイスを数々頂きました。顔モデルにまで引っ張り出されるとはまさか思われなかったことでしょう…。もうひとり、女性代表は同じ絵画サークルに所属していた友人女性です。このヒトが意外なことに「眼鏡屋顔負けの選択眼」を持っていたことが――あとあと役に立ちました。
当初、"obligation"(オブリゲーション)の名は私のオーダーシートにはありませんでした。「仮面舞踏会のよう」→「顔がキツくみえる」→「教育ママみたい」→「売れずにほこりをかぶる」。眼鏡屋にとって「キツい」は最大のNGワード。「教育ママみたい」とおっしゃられたお客さまがそれを買われる可能性はゼロ以下です。
ところがこのモデル女性は「ぜんぜんキツくありませんよ」と言い放ちます。言われてみると確かにテンプルが下位置に付き、むしろ柔らかい表情を引き出しています。内と外でがらりとカラーを変えることで立体感も生まれます。むろん自分にいちばん似合うモデルを選び出したに過ぎませんが、これこそが「おくたき」の眼鏡なんだ。これを売ろうという決意につながりました。
かくして"obligation"(オブリゲーション)は当店のキラーアイテムとなりました。同じカラーはリピートオーダーしないポリシーゆえすべて違うカラーで皆さまにお使いいただいています。最初の一本を選んだモデルの女性は――現在私の妻となり、いまも"obligation"(オブリゲーション)を愛用しています。「恩義」「おかげ」の意味を持つ。いろいろな感謝を持つ。忘れがたいモデルです。
世界で愛され定番となった"obligation"(オブリゲーション)。新色がそろっています。
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